睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に呼吸が一時的に止まる(無呼吸)、または浅くなる(低呼吸)状態が繰り返し起こる睡眠障害です。この状態が続くと、睡眠の質が低下し、日中の眠気や集中力低下といった症状を引き起こすだけでなく、重大な健康リスクとなることがあります。このページでは、睡眠時無呼吸症候群の主な症状や健康リスク、当院における治療法についてご紹介します。
睡眠時無呼吸症候群の主な症状
睡眠時無呼吸症候群には、以下のような特徴的な症状があります。
夜間の症状
- いびき:大きく不規則ないびきが特徴的です
- 呼吸停止:パートナーから「息が止まっている」と指摘されることがあります
- 息苦しさで目が覚める:無呼吸による酸素不足で突然目覚めることがあります
- 夜間頻尿:トイレに何度も起きる必要があります
- 寝汗:無呼吸時の体の負担で汗をかくことがあります
- 不眠感:熟睡感が得られません
日中の症状
- 日中の強い眠気:会議中、運転中など不適切な場面で眠気に襲われます
- 朝の頭痛:目覚めた時に頭痛を感じることがあります
- 集中力・記憶力の低下:仕事や日常生活に支障をきたします
- イライラ感:情緒不安定になることがあります
- 疲労感:十分な睡眠をとっても疲れが取れません
睡眠時無呼吸症候群の種類
睡眠時無呼吸症候群は、主に以下の3種類に分けられます。
- 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)
- 最も一般的なタイプです
- 喉の筋肉がリラックスして気道が狭くなったり、閉塞したりすることで起こります
- いびきを伴うことが多いです
- 中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)
- 脳から呼吸筋への信号が正常に伝わらないことで起こります
- いびきを伴わないこともあります
- 心不全や脳卒中後に見られることがあります
- 混合型睡眠時無呼吸症候群
- 閉塞性と中枢性の両方の特徴を持ちます
睡眠時無呼吸症候群のリスク要因
以下の要因がある方は、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まるため、注意が必要です。
- 肥満:特に首回りや上半身の肥満
- 年齢:中高年(40歳以上)で増加傾向
- 性別:男性に多い傾向(ただし女性も閉経後にリスクが上昇)
- 首の構造:首が太い、あごが小さい、扁桃腺が大きいなど
- 家族歴:遺伝的要因も関与します
- 喫煙・アルコール:気道の炎症や筋肉のリラックス効果があります
- 鼻閉:アレルギー性鼻炎、鼻中隔湾曲症などによる鼻づまり
- 薬物使用:睡眠薬や筋弛緩剤の使用
睡眠時無呼吸症候群の健康リスク
睡眠時無呼吸症候群を放置すると、以下のような深刻な健康問題につながる可能性があります。ご不安な方は、まずは当院にご相談ください。
- 高血圧:血圧のコントロールが難しくなります
- 心疾患:心不全、不整脈、冠動脈疾患のリスクが高まります
- 脳卒中:脳梗塞、脳出血のリスクが増加します
- 糖尿病:インスリン抵抗性が高まります
- うつ病:気分障害を引き起こしたり悪化させたりします
- 事故リスク:日中の眠気による交通事故や労働災害のリスクが高まります
当院での診断方法
当院では、以下のような検査を通じて睡眠時無呼吸症候群の診断を行います。
1. 問診と診察
- 症状や生活習慣についての詳細な聞き取り
- 身体測定(BMI、首囲など)
- 口腔・鼻咽頭の診察
2. スクリーニング検査
- パルスオキシメトリー:睡眠中の酸素飽和度を測定
- 簡易睡眠検査(携帯型睡眠検査):自宅で行える簡易的な検査です
3. 精密検査
- 終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG):
- 睡眠状態、呼吸状態、酸素飽和度などを総合的にモニタリングする最も詳細な検査です
- 無呼吸低呼吸指数(AHI)を算出し、重症度を評価します
4. その他の検査
- 耳鼻科的検査(内視鏡検査など)
- 必要に応じて画像検査(X線、CT、MRIなど)
当院の睡眠時無呼吸症候群治療

当院では患者さん一人ひとりの症状や重症度、生活習慣に合わせた最適な治療を行っております。
1. CPAP(持続陽圧呼吸療法)
- 睡眠時無呼吸症候群の最も効果的な治療法です
- マスクを通して空気を送り込み、気道を開存させます
- 当院では以下のサポートを提供:
- 最適な機種・マスクの選定
- 圧力設定の細かい調整
- 定期的なフォローアップと使用状況の確認
- 機器の不具合や使用感についての相談
2. 口腔内装置(マウスピース)
- 軽度から中等度の患者さんに適しています
- 下顎を前方に引き出し、気道を広げる効果があります
- 当院では歯科医と連携し、最適な装置の作製と調整を行います
3. 生活習慣の改善指導
- 体重管理のアドバイス
- 睡眠姿勢の指導
- アルコール・喫煙に関する助言
- 睡眠環境の整備についてのアドバイス
当院を受診すべき・していただきたい症状
以下のような症状がある方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。当院への受診をご検討ください。
- 大きないびきと呼吸停止を指摘されている
- 日中の強い眠気で仕事や日常生活に支障がある
- 朝起きても疲れが取れず、頭痛がする
- 夜間に何度もトイレに起きる
- 高血圧の治療を受けているが、血圧が安定しない
- 肥満があり、首回りが太い
- 集中力や記憶力の低下を感じている
- 夜間に息苦しさを感じて目が覚める
当院における診療の流れ

当院での睡眠時無呼吸症候群の診療は、以下のような流れで進めていきます。
初診時
- 問診と診察:症状や生活習慣について詳しくお聞きします
- スクリーニング検査の実施:簡易検査を行います
- 検査結果の説明と治療方針の相談:検査結果に基づき、最適な治療法をご提案します
精密検査(必要な場合)
- 終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)の実施
- 検査結果の詳細な説明
- 治療方針の決定
治療開始
- 選択した治療法の導入:CPAP、マウスピース、など
- 使用方法や注意点の説明
- 治療効果の確認と調整
フォローアップ
- 定期的な診察と効果の評価
- 必要に応じた治療の調整
- 生活習慣改善のサポート
睡眠時無呼吸症候群と保険適用
睡眠時無呼吸症候群の検査や治療は、以下のように保険適用されます。
- 簡易睡眠検査、終夜睡眠ポリグラフ検査は保険適用です
- 中等度以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群と診断された場合、CPAP療法は保険適用となります
- 口腔内装置も条件を満たせば保険適用となります
※保険適用には一定の条件があります。詳細は診察時にご説明いたします。
まとめ
睡眠時無呼吸症候群は、放置すると生活の質の低下だけでなく、重大な健康リスクにつながる可能性がある疾患です。しかし適切な診断と治療により、症状の改善や合併症の予防が可能な病気でもあります。
当院では、患者さん一人ひとりに合わせた最適な治療を行っております。睡眠に関する悩みがある方は、お気軽に当院にご相談ください。