麻疹(はしか)と風疹(ふうしん)は、感染力の強いウイルス性疾患のひとつです。どちらも発熱や発疹を特徴とし、適切な予防・早期治療が重要になります。当院では、これらの感染症に対する診断・治療・予防接種を行っています。このページでは、麻疹や風疹の症状や予防法、当院での診療についてご紹介します。
麻疹(はしか)について
麻疹の原因と感染経路
麻疹は麻疹ウイルスによって引き起こされる感染症です。感染者の咳やくしゃみによる飛沫感染や、ウイルスが付着したものに触れた後に目や鼻、口を触ることで感染します。麻疹ウイルスの感染力は非常に強く、予防接種を受けていない人が感染者と同じ空間にいると、約90%の確率で感染するとされています。
麻疹の症状
麻疹の潜伏期間は約10〜12日間で、主な症状の経過は以下の通りです。
- 前駆期(3〜4日間)
- 38〜39℃の高熱
- せき、鼻水、結膜炎
- 口腔内に「コプリック斑」と呼ばれる白い斑点
- 発疹期(4〜7日間)
- 耳の後ろから顔面に赤い発疹が現れ、全身に広がる
- 40℃近い高熱が続く
- 症状のピーク
- 回復期
- 発疹が現れた順に消えていく
- 熱が下がり、他の症状も軽減
麻疹の合併症
麻疹は合併症を引き起こすリスクが高い疾患です。
- 中耳炎:耳の痛み、耳だれなどが起こります
- 肺炎:麻疹の最も一般的で危険な合併症の一つです
- 脳炎:1,000人に1人の割合で発症し、重篤な後遺症を残すことがあります
- 亜急性硬化性全脳炎(SSPE):麻疹感染後、数年経ってから発症する極めてまれだが致命的な脳の合併症です
風疹(ふうしん)について
風疹の原因と感染経路
風疹は風疹ウイルスによって引き起こされる感染症です。麻疹と同様に、感染者の咳やくしゃみによる飛沫感染が主な感染経路です。麻疹と比べると感染力はやや弱いものの、十分な注意が必要です。
風疹の症状
風疹の潜伏期間は約2〜3週間で、症状は比較的軽いことが多いです。
- 微熱から中程度の発熱(38℃前後)
- 淡いピンク色の発疹(顔から始まり、全身に広がる)
- リンパ節の腫れ(特に耳の後ろや首の後ろ)
- 関節痛(特に成人女性に多い)
- 眼の充血
症状は通常3〜5日で消失し、合併症がなければ自然に回復します。
風疹の特別なリスク:先天性風疹症候群
風疹は特に妊婦と胎児にとって大きなリスクとなります。妊娠初期(特に初めの12週間)に風疹に感染すると、胎児に先天性風疹症候群を引き起こす可能性があるためです。
先天性風疹症候群の主な症状は、以下です。
- 視覚障害(白内障、緑内障など)
- 聴覚障害(難聴)
- 心臓の先天異常
- 精神運動発達の遅れ
麻疹・風疹の予防

ワクチン接種の重要性
麻疹と風疹は、予防接種によって効果的に予防できます。日本では、通常、MR(麻疹・風疹混合)ワクチンが使用され、以下のスケジュールで接種が推奨されています。
- 第1期:1歳の誕生日から2歳の誕生日前日まで
- 第2期:小学校入学前の1年間(年長児)
ワクチンの効果は非常に高く、2回の接種で95%以上の人が免疫を獲得します。麻疹・風疹のワクチンをご希望の方は、当院にご相談ください。
通院継続による再発予防
感染症の管理は継続的な健康管理が重要です。定期的な通院を継続することで、再発リスクを低減できます。
当院での麻疹・風疹の診療

診断
当院では、以下の方法で麻疹・風疹の診断を行います。
- 問診と視診:症状の経過や特徴的な発疹の確認
- 血液検査:麻疹・風疹の抗体検査
- 削除で
治療
麻疹・風疹に対する特異的な治療薬はありませんが、症状を和らげるための対症療法を行います。
- 安静と水分補給:十分な休息と水分摂取を促します
- 解熱鎮痛薬:高熱や痛みに対して適切な薬剤を処方します
- 合併症の予防と治療:必要に応じて抗生物質や追加の治療を行います
- 鍼などの代替療法:症状緩和のための補助的な治療として、患者さんの希望に応じて検討します[2]
家庭での対処法
診断後、自宅療養される場合の対処法をご指導します。
- 十分な休息:体力回復のため、しっかり休息をとりましょう
- 水分補給:発熱による脱水を防ぐため、こまめに水分を摂りましょう
- 室温・湿度管理:快適な環境で療養できるよう調整しましょう
- 栄養バランスの良い食事:消化の良い食事を心がけましょう
- 感染拡大防止:家族内での感染予防に努めましょう
当院を受診すべき・していただきたい症状
以下のような症状がある場合は、当院の受診をおすすめします。
- 発熱と発疹:38℃以上の発熱と特徴的な発疹がある場合
- 麻疹・風疹患者との接触歴:感染者と接触した可能性がある場合
- 妊婦で風疹感染が疑われる場合:特に緊急の対応が必要です
- 重篤な症状:
- 呼吸困難
- 意識障害
- 激しい頭痛
- 光に対する過敏反応
- 高熱が続く、または急に熱が上がる
感染予防のための日常生活での注意点
日常生活でも、以下のような点に注意することで感染リスクを減らせます。
- 手洗い・うがい:外出後や食事前は必ず行いましょう
- マスクの着用:流行期や人混みでは着用を検討しましょう
- 十分な睡眠と栄養:免疫力を維持するために重要です
- 人混みを避ける:流行期には不要な外出を控えましょう
- 換気の徹底:室内では定期的に換気を行いましょう
当院の予防接種について
当院では、麻疹・風疹の予防接種を以下のように提供しています。
- 定期接種:対象年齢のお子様への定期接種
- 任意接種:抗体検査で免疫が不十分と判断された方
- 海外渡航者向け接種:海外渡航予定の方
- 予防接種相談:接種に関する不安や疑問にお答えします
特別な対象者への注意事項
妊婦の方へ
- 妊娠中は風疹ワクチンを接種できません
- 妊娠を計画している女性は、事前に抗体検査を受け、必要に応じてワクチン接種をお勧めします
- パートナーの男性も免疫を確認することが重要です
小さなお子様をお持ちの方へ
- 定期接種のスケジュールを守りましょう
- 1歳未満の赤ちゃんは、麻疹に対する免疫が不十分な場合があります
- 周囲の大人が予防接種を受けることで、赤ちゃんを守る「コクーン戦略」も有効です
海外渡航予定の方へ
- 渡航前に抗体検査とワクチン接種の確認をおすすめします
- 特に麻疹流行地域への渡航には注意が必要です
まとめ
麻疹・風疹は予防可能な感染症です。ワクチン接種が最も効果的な予防法であり、社会全体の免疫力を高めることが重要です。当院では診断・治療・予防接種に関する総合的なサービスを提供しています。
症状がある方、予防接種をご希望の方、不安や疑問をお持ちの方は、お気軽に当院にご相談ください。