頭痛は、日常生活で多くの方が経験する一般的な症状です。頭の痛みの強さや場所、性質、持続時間はさまざまで、軽度の不快感から日常生活に支障をきたす激しい痛みまで幅広く存在します。このページでは頭痛の主な種類と特徴、当院を受診する目安やご家庭でできる頭痛の対処法などをご紹介します。
頭痛とは
頭痛は大きく「一次性頭痛」と「二次性頭痛」に分類されます。一次性頭痛は頭痛自体が病気であり、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などが含まれます。二次性頭痛は他の疾患に伴って生じる頭痛で、脳腫瘍、くも膜下出血、髄膜炎などの重篤な疾患が原因となることもあります。
主な頭痛の種類と特徴
1. 片頭痛
片頭痛は拍動性の痛みが特徴で、多くの場合、頭の片側に起こります。以下のような症状が見られます。
- 中等度から重度の拍動性の痛み
- 頭の片側(時に両側)に現れる痛み
- 4〜72時間続く発作
- 日常的な身体活動により痛みが悪化
- 吐き気や嘔吐を伴うことがある
- 光や音に対する過敏性
- 前兆(閃輝暗点などの視覚症状)が現れることもある
片頭痛は女性に多く、ホルモンの変動や特定の食品、ストレス、睡眠不足、天候の変化などが引き金となることがあります。
2. 緊張型頭痛
もっとも一般的な頭痛のタイプで、以下のような特徴があります。
- 頭の両側に現れる締め付けるような痛み
- 軽度から中等度の痛み
- 30分から数日間続くことがある
- 通常、日常活動によって悪化しない
- 吐き気や嘔吐を伴わない
- 光・音過敏を伴わないことが多い
ストレスや姿勢の悪さ、目の疲れ、筋肉の緊張などが原因となることが多いです。
3. 群発頭痛
稀ですが、非常に激しい痛みを特徴とする頭痛です。
- 目の周囲や側頭部の激しい痛み
- 頭の片側にのみ現れる
- 15分から3時間続く発作
- 1日に数回発生することがある
- 発作が数週間から数ヶ月続き、その後長期間の寛解期がある
- 同側の目の充血、流涙、鼻づまりなどを伴うことが多い
群発頭痛は男性に多く、アルコールやニトログリセリンなどの血管拡張物質が発作を誘発することがあります。
4. 薬物乱用頭痛
頭痛薬を長期間、頻繁に使用することで生じる頭痛です。
- 毎日または非常に頻繁に発生する頭痛
- 朝起きたときにすでに痛みがある
- 頭痛薬の効果が減弱してきている
- 頭痛薬の使用を中止すると一時的に症状が悪化する
月に10日以上、3ヶ月以上にわたって頭痛薬を使用している場合に発生リスクが高まります。
頭痛で受診すべき症状

以下のような場合は、当院の受診をおすすめします。
早急に受診すべき症状
- 今までに経験したことのない激しい頭痛
- 「人生最悪の頭痛」と感じる場合
- 突然始まった激しい頭痛
- 頭部外傷後の頭痛
- 発熱、首のこわばり、発疹を伴う頭痛
- 痙攣、意識障害、物が二重に見える、言語障害などの神経症状を伴う頭痛
- 50歳以降に初めて現れた頭痛
- 持病(高血圧、がん、HIV感染症など)がある方の頭痛
専門的診療が必要な症状
- 頻繁に起こる頭痛(月に4回以上)
- 徐々に頻度や強度が増す頭痛
- 市販薬や処方薬が効かない頭痛
- 日常生活や仕事に支障をきたす頭痛
- 頭痛薬を定期的に使用している(週に2回以上)
当院での頭痛診療について

当院では患者さん一人ひとりの頭痛の特徴を詳しく分析し、適切な診断と治療を提供しています。
診療の流れ
- 詳細な問診:頭痛の特徴、頻度、持続時間、随伴症状、悪化・改善因子などを詳しくお聞きします。頭痛ダイアリー(頭痛記録)の記入をお願いすることもあります。
- 診察:神経学的診察を含む身体診察を行います。
- 必要に応じた検査:症状に応じて、以下のような検査を行うことがあります。
- 血液検査
- 頭部CT検査、MRI検査(二次性頭痛が疑われる場合)
- その他必要な検査
- 診断と治療方針の説明:検査結果と診察所見に基づいた診断と治療方針をわかりやすくご説明します。
- 治療と経過観察:個々の患者さんの症状や生活背景に合わせた治療計画を立て、定期的な経過観察を行います。
主な治療法
頭痛のタイプや原因に応じて、以下のような治療を行います。
- 薬物療法
- 急性期治療薬(発作時に使用する薬)
- 予防薬(頻度の高い頭痛に対して使用する薬)
- 随伴症状(吐き気など)に対する薬
- 非薬物療法
- 生活習慣の改善指導
- ストレス管理法の指導
- リラクゼーション技法の紹介
- 頭痛の誘因となる食品や行動の回避策
- 専門的治療
- 難治性の頭痛に対する専門的治療
- 他科(神経内科、脳神経外科など)との連携治療
- 精密検査が必要な場合の専門医療機関へのご紹介
当院では、薬物療法だけでなく、患者さんの生活習慣や環境因子にも配慮した総合的なアプローチを心がけています。専門書や医学書の知識を活用し、一人ひとりに丁寧な診療を提供しています。
家庭でできる頭痛の対処法
軽度から中等度の頭痛に対しては、以下のような家庭での対処法が効果的な場合があります。
1. 休息と睡眠
- 静かで暗い部屋で休む
- 適切な睡眠時間を確保する(7〜8時間程度)
- 規則正しい睡眠習慣を心がける
2. 温冷療法
- 緊張型頭痛:首や肩に温かいタオルや温熱パッドを当てる
- 片頭痛:額や首筋に冷たいタオルや氷嚢を当てる
3. リラクゼーション
- 深呼吸や瞑想
- 軽いストレッチやヨガ
- 入浴やアロマテラピー
4. 水分と食事
- 十分な水分補給(脱水は頭痛の原因になります)
- 規則正しい食事(食事抜きも頭痛の原因になります)
- カフェインの適度な摂取(過剰摂取や突然の中断は避ける)
5. 姿勢の改善
- デスクワーク中の正しい姿勢
- 定期的な休憩とストレッチ
- 適切な枕と寝具の選択
6. 市販薬の適切な使用
- 医師や薬剤師の指導に従って使用
- 用法・用量を守る
- 乱用を避ける(週に2日以上の使用は避ける)
頭痛の予防法
頭痛の発生を予防するために、以下のような生活習慣の改善が効果的です。
1. 規則正しい生活
- 毎日同じ時間に起床・就寝
- 規則正しい食事
- 適度な運動習慣
2. ストレス管理
- ストレス発散法の確立(趣味、運動など)
- リラクゼーション技法の習得
- 過度な負担を避ける
3. 環境因子の調整
- 適切な照明(まぶしすぎない)
- 騒音の軽減
- 室内の換気と適切な温度・湿度
4. 誘発因子の回避
- 個人の頭痛を誘発する食品の特定と回避
- アルコールやカフェインの適量摂取
- 強い香りや化学物質の回避
5. 頭痛ダイアリーの記録
- 頭痛の発生日時、強さ、持続時間の記録
- 前兆や随伴症状の記録
- 考えられる誘発因子の記録
まとめ
頭痛は日常的によくある症状ですが、そのタイプや原因はさまざまです。適切な診断と治療によって、多くの頭痛は改善またはコントロールすることが可能です。
当院では、患者さん一人ひとりの頭痛の特徴を詳しく分析し、生活背景も考慮した総合的な診療を提供しています。頭痛でお悩みの際は、早めにご相談ください。