貧血とは、血液中の赤血球数やヘモグロビン濃度が正常値より低下した状態のことです。ヘモグロビンは赤血球に含まれるタンパク質で、全身に酸素を運ぶ重要な役割を担っています。貧血になると体内の組織や臓器に十分な酸素が行き渡らなくなり、さまざまな症状が体の不調として現れます。このページでは、貧血の主な症状や原因、当院を受診すべき症状の例などをご紹介します。
貧血の主な症状
貧血の症状は個人差がありますが、一般的な症状の例は、以下です。
- 疲れやすい、だるさが続く
- 顔色が悪い(顔色が青白い)
- 息切れ、動悸(特に階段の昇り降りや運動時)
- めまい、ふらつき
- 頭痛
- 集中力の低下
- 爪が薄くなる、割れやすくなる
- 冷え性
- 食欲不振
- 月経過多(女性の場合)
これらの症状が1つでも当てはまり、日常生活に支障をきたしている場合は、貧血の可能性があります。早めに当院を受診されることをお勧めします。
貧血の主な原因
貧血にはさまざまな種類と原因があります。主な原因は以下の通りです。
1. 鉄欠乏性貧血
もっとも一般的な貧血の種類で、体内の鉄分が不足することで起こります。以下のような原因で発症します。
- 鉄分の摂取不足(偏食、ダイエットなど)
- 子宮筋腫や月経過多
- 消化管からの出血(胃潰瘍、大腸ポリープなど)
- 妊娠・授乳期の鉄需要増加
- 消化・吸収障害
2. 巨赤芽球性貧血
ビタミンB12や葉酸の不足によって起こる貧血です。主な原因は、以下です。
- ビタミンB12や葉酸の摂取不足
- 胃や小腸の疾患による吸収障害
- 特定の薬剤の副作用
- 加齢による吸収能力の低下
3. 溶血性貧血
赤血球が通常より早く破壊されることによって起こる貧血です。主な原因は、以下です。
- 遺伝的要因(先天性溶血性貧血)
- 自己免疫疾患
- 感染症
- 特定の薬剤の副作用
4. 再生不良性貧血
骨髄の機能低下により、十分な血液細胞が作られなくなる状態です。主な原因は、以下です。
- 特定の薬剤の副作用
- 放射線被曝
- ウイルス感染
- 自己免疫疾患
- 原因不明(特発性)
5. 慢性疾患に伴う貧血
長期的な炎症や慢性疾患に伴って起こる貧血です。以下のような疾患で見られます。
- 慢性腎臓病
- リウマチなどの自己免疫疾患
- 慢性感染症
- 悪性腫瘍
貧血で受診すべき症状

以下のような症状がある場合は、当院の受診をおすすめします。
- 日常生活に影響するほどの強い疲労感や息切れ
- 急に起こった顔色の悪さ
- 原因不明のめまいや失神
- 胸痛や著しい動悸
- 黒色便や血便
- 月経の出血量が急に増えた
- 慢性的な疲労感が数週間以上続いている
- 既知の貧血が治療しても改善しない場合
- 高齢者や基礎疾患をお持ちの方の貧血症状
特に症状が急激に悪化した場合や、不調が長期間続く場合は、早めの受診が重要です。
当院での貧血の診療について

当院では、患者さん一人ひとりの症状や状態に合わせた適切な診療を提供しています。
診療の流れ
- 問診と診察:症状の経過、生活習慣、食事内容、既往歴などを詳しくお聞きし、身体診察を行います。
- 血液検査:貧血の診断には血液検査が必須です。当院では以下のような検査を行います。
- 赤血球数・ヘモグロビン値・ヘマトクリット値
- 平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)
- 血清鉄、フェリチン、総鉄結合能(TIBC)
- ビタミンB12、葉酸
- 網状赤血球数
- その他必要な検査
- その他の検査:原因によっては以下のような追加検査を行うこともあります。
- 便潜血検査
- 胃カメラ、大腸カメラ(消化管出血が疑われる場合)
- 削除
- その他、原因疾患に応じた検査
- 診断と治療方針の説明:検査結果と診察所見に基づいた診断と治療方針をわかりやすくご説明します。
- 治療と経過観察:貧血の種類と原因に応じた適切な治療を行い、定期的に血液検査で経過を観察します。
主な治療法
貧血の種類や原因に応じて、以下のような治療を行います。
- 鉄欠乏性貧血の治療
- 鉄剤の内服(経口鉄剤)
- 重症例では鉄剤の注射や点滴
- 原因疾患(消化管出血など)の治療
- 食事指導
- 巨赤芽球性貧血の治療
- ビタミンB12の筋肉注射または内服
- 葉酸の内服
- 原因疾患の治療
- 食事指導
- その他の貧血の治療
- 原因疾患に応じた適切な治療
- 必要に応じて専門医療機関へのご紹介
当院では、単に貧血の症状を改善するだけでなく、その根本的な原因を特定し、適切に対処することを重視しています。治療後も定期的な検査を行い、再発防止に努めています。
家庭でできる貧血の対処法と予防
食事での対策
鉄分を多く含む食品
鉄欠乏性貧血の予防や改善には、鉄分を多く含む食品の摂取が重要です。鉄分は「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があり、ヘム鉄は吸収率が高いため積極的に摂取するとよいでしょう。
- ヘム鉄を多く含む食品(吸収率が高い)
- レバー(鶏、豚、牛)
- 赤身の肉
- マグロ、カツオなどの赤身の魚
- あさり、しじみなどの貝類
- 非ヘム鉄を多く含む食品
- ほうれん草、小松菜などの緑黄色野菜
- 納豆、枝豆などの大豆製品
- 切り干し大根、ひじきなどの乾物
- ごま、アーモンドなどのナッツ類
鉄の吸収を高める食品
- ビタミンCを含む食品(レモン、オレンジ、キウイ、イチゴなど)
- タンパク質を含む食品(肉、魚、卵、大豆製品など)
鉄の吸収を妨げる食品(摂取タイミングに注意)
- タンニンを含む飲み物(緑茶、紅茶、コーヒーなど)
- シュウ酸を多く含む食品(ほうれん草、チョコレートなど)
- カルシウムを多く含む食品(牛乳、チーズなど)
生活習慣の改善
- 規則正しい食生活を心がける
- バランスの良い食事を摂る
- 十分な睡眠をとる
- 適度な運動を行う
- ストレスを溜めないようにする
- 喫煙を避ける(タバコは鉄の吸収を妨げます)
まとめ
貧血は日常生活にさまざまな影響を及ぼす可能性がある状態ですが、適切な診断と治療によって改善できます。疲れやすい、めまいがする、顔色が悪いなどの症状が続く場合は貧血の可能性を考え、早めに当院にご相談ください。