萎縮性胃炎

萎縮性胃炎は日本人に多い消化器疾患のひとつです。胃の粘膜が薄くなり、胃の機能が低下する状態を指します。このページでは、萎縮性胃炎について詳しく解説し、当院での検査・治療法、そして日常生活での対処法についてご紹介します。

萎縮性胃炎とは

萎縮性胃炎は、胃の粘膜が徐々に薄くなり(萎縮し)、胃の機能が低下していく慢性的な胃の炎症性疾患です。主な原因はヘリコバクター・ピロリ菌(H.ピロリ菌)の感染とされています。長期間放置すると胃がんのリスクが高まるため、早期発見・早期治療が重要です。

萎縮性胃炎の主な症状

萎縮性胃炎の特徴は、初期段階で目立った症状がないことです。しかし、進行するにつれて以下のような症状が現れることがあります。

これらの症状は他の胃腸疾患でも見られるため、正確な診断には専門医による検査が必要です。上記の症状が気になる方は、お早めに当院にお越しください。

萎縮性胃炎の原因

1. ヘリコバクター・ピロリ菌感染

萎縮性胃炎の最も一般的な原因は、ヘリコバクター・ピロリ菌の長期におよぶ感染です。この細菌は胃の粘膜に炎症を引き起こし、長期間にわたって炎症が続くことで胃粘膜の萎縮が進行します。

2. 自己免疫性胃炎

体の免疫系が誤って胃粘膜を攻撃することで生じる萎縮性胃炎もあります。この場合、ビタミンB12の吸収障害による悪性貧血を合併することがあります。

3. その他の要因

萎縮性胃炎の検査・診断

当院では、以下の検査を通じて萎縮性胃炎の正確な診断を行っています。

1. 問診・身体診察

症状や既往歴、生活習慣などを詳しくお聞きします。

2. 血液検査

3. 呼気検査

ヘリコバクター・ピロリ菌の活動性を調べる非侵襲的な検査です。

4. 上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)

最も確実な診断方法です。胃粘膜の状態を直接観察し、萎縮の程度や範囲を評価します。また、必要に応じて組織を採取(生検)し、ヘリコバクター・ピロリ菌の有無や萎縮の程度、前がん病変の有無などを詳しく調べます。

当院での萎縮性胃炎の治療

萎縮性胃炎の治療は、原因や症状、進行度に応じて個別に計画します。当院では以下の治療を行っております。

1. ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療

ヘリコバクター・ピロリ菌が陽性の場合、除菌治療を行います。抗生物質と胃酸を抑える薬を組み合わせた治療を1週間程度行います。除菌成功率は90%程度であり、除菌後は確認検査を行います。除菌に成功すると、胃炎の進行を抑え、一部の患者さんでは胃粘膜の改善が期待できます。

2. 胃酸分泌抑制薬による治療

胃の不快感や痛みなどの症状がある場合、胃酸分泌を抑える薬を使用します。

3. 胃粘膜保護薬による治療

胃粘膜の修復を促進し、保護する薬を用います。

4. ビタミンB12補充療法

自己免疫性胃炎でビタミンB12吸収障害がある場合、ビタミンB12の補充療法を行います。

5. 生活習慣改善の指導

長期的な胃の健康維持のため、食事や生活習慣の改善指導を行います。

6. 定期的な経過観察

萎縮性胃炎、特に進行した萎縮性胃炎の場合は、胃がんのリスクが高まるため、定期的な内視鏡検査による経過観察が重要です。当院では個々の状態に応じた適切な検査間隔を提案しています。

萎縮性胃炎の予防と日常生活での対処法

萎縮性胃炎の予防や症状の緩和に役立つ日常生活での工夫をご紹介します。

1. バランスの良い食生活

2. 健康的な生活習慣

3. 定期的な健康チェック

萎縮性胃炎と胃がんのリスク

萎縮性胃炎、特にヘリコバクター・ピロリ菌感染が関与する場合は、胃がんのリスク因子となります。胃粘膜の萎縮が進むと、腸上皮化生という変化が起こることがあり、これも胃がんリスクを高める要因です。

しかし、早期に適切な治療(特にヘリコバクター・ピロリ菌の除菌)を行うことで、胃がんリスクを低減できることが研究で示されており、除菌療法は保険適応になっています。また、定期的な検査により、万が一胃がんが発生した場合でも早期発見・早期治療が可能です。

まとめ:萎縮性胃炎は早期発見・適切な治療が重要

萎縮性胃炎は、日本人に多く見られる消化器疾患です。初期段階では症状がないことも多いですが、進行すると胃がんのリスクが高まるため、早期発見・早期治療が非常に重要です。

胃の不調を感じる方はもちろん、症状がなくても40歳を過ぎたら定期的な胃の検査をおすすめします。特に胃がんの家族歴がある方、長期間にわたる胃の不調がある方は、お早めにご相談ください。

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